四国お遍路ツーリング

 

3月23日・2日目・発心の道場(徳島県)

天候 曇りのち雨

 

昨日は、フェリーを降りてビジネスホテルに宿泊。
前回来た時も思ったのだが、四国はホテルが安い。これは非常にありがたいのである。
まあ、贅沢言わずにフツーに泊まっていれば、朝食つきで4000円台くらいで泊まれてしまうのだ。
ちなみに、もっと贅沢を言わなければさらに安いところもあるのだが、
別に
ガマン大会に来ているわけではないので、まあこんなもんは許すとしよう。

ホテルを出る頃には、まだ曇り空で踏みとどまっていた。
しかし、今日の
予報は雨。これは急ぐべきところだ。うむ。

 

ということで荷物をボルティに積み込み、朝食を頂いたら1番札所「霊山寺」に向けて出発なのです。
この日は休日なので、結構大きな徳島市内もそう混雑することなく抜けられた。

霊山寺に着くと、朝早いっていうのに結構人がいた。
さすが1番札所なのです。
参拝の前に、まずここでお遍路グッズをそろえることに。

まず「納経帳」という、まあ…何だろ、お寺のサインをもらう台帳のようなもの。
それからお参り用の
線香ローソク。それから納め札というお札。
衣装はどうしようか迷ったけど、まあ遊び半分の不純なお遍路さんなのでやめとく。
でもなんかお遍路さんっぽいものが欲しいな〜♪
ということで
般若心経が印刷された手ぬぐいを購入。これをぱたぱたさせながら走ることに。
後から知ったんだけど、この霊山寺の売店はお値段が少々高めなので、できれば他で買った方がいいとのことでした。
そんなこと知らないので一式購入。4000円くらいでした。どうなんでしょう。

お遍路グッズを買うと、お参りのしかたを教えてもらえます。
本堂にお参りし、ローソクと線香を立て、般若心経を唱え、それから・・・と
なんか小難しいんですが、まあいいや、どうせお経も漢字ばっかりで読めないし(^^;
ということで、ろうそくと線香を立てて、本堂にアイサツして納め札を納め、
納経帳を書いてもらってまあ良しとすることに。

ということで早速霊山寺でお参りしてみる。
すると山門で、一人の
おばあちゃんに話しかけられる

「お遍路さんするんだね。門の前でバイクと写真撮ってあげるよ」
あんまり自分の写真とか撮らないんですが、まあせっかくのお申し出、有難く受けたいところだけど、
バイクはもう置いて来ちゃったので、「お参りしてからまた会えたらお願いしますね」
と言ってお参りに行く。

お参りを済ませ、本堂なんかの写真を撮って出てくると、さっきのおばあちゃん、まだいるようだ。
せっかくなのでバイクを門の前に運び、写真を撮って頂く。
するとおばあちゃん、「今日はお寺の中で
お接待やってるから、寄っていきな」と、もう一度境内に連れて行かれる。

「お接待」…?これでも一応少しはお遍路さんについて勉強してきたのですが、
「お接待」とは、四国の方々がお遍路さんに食べ物なんかをあげたり、車に乗せてあげたり、
とにかく親切なことをしてあげることを言うそうだ。
お遍路に出たくても色々な都合ででられないときに、お遍路さんに親切にすることで、
「徳」を分けてもらうとかなんとかかんとか。
ということで、
「お接待」を断ることはあまりしない方がいいらしい。

と、そこまでは知っていた。なので素直に境内についていく。
すると、境内では
「鳴門わかめ」のお接待をやっており、生わかめを頂いた。
「生わかめ」美味かったです。さらに「お接待」で
乾燥鳴門わかめも頂いてしまいました・・・。
乾燥わかめは、食べる機会もなく結局自宅まで封が切られることなくお持ち帰りとなりましたがorz

わかめを頂き、それじゃあどうもありがとうございました。と言って次に向かおうとすると、
おばあちゃん「小腹がすいたねえ。
うちでうどんでも食べていくかい
と、なんかすごい親切なお言葉、いやいや、そこまでしてもらうワケには参りません(^^;
雨も心配だし、行きますね。ありがとうございました。
と、名残惜しそうなおばあちゃんと分かれる。

いやあ、すごいですね四国&お遍路。
その独特の世界にちょっと引きつつ、楽しませて頂きました(^o^)/

 


1番札所「霊山寺」山門前。
お遍路スタイルのマネキン在中


境内。1番札所だけあって人が多いです。
旅の安全を祈願。

 

次は・・・と、2番札所の場所をさがす。
四国88箇所の霊場はツーリングマップルにもしっかり載ってるので便利なのです。
2番札所の「極楽寺」まではすぐそば。さっきまで走ってきた道をちょろっと走って到着です。

ここに来るまでに、笠をかぶったお遍路さんの看板がありました。
指し示す方向には、遊歩道のような道があります。
一瞬行こうかと思いましたが、「
へんろ道」と書いてあります。
何かオカシイ…と思い、一応HPなんかで見てきた知識を探ってみると、
この道は歩いて88ヶ所を巡る「歩きへんろ」のための道である…ような気がする。と思いつきました。

このへんろ道の看板、結構色々なところにあります。
四国の人の優しさを感じますね〜。
しかしワタクシ、一度間違えてこの「へんろ道」にボルティで入ってえらい事になりました。
また後の話ですが。

二番札所「極楽寺」三番札所「金泉寺」四番札所「大日寺」、とさくさく進む。
この調子なら88ヶ所なんてすぐじゃん?とか余裕を見せたり。

 


二番札所「極楽寺」。寺で写真とか撮って変なモノ写ってたらどうしよ。とかビビリながら撮ってます。


三番札所「金泉寺」山門。
連続してお寺があります。


四番札所「大日寺」。初の「ちょっと山」です。

 

五番札所「地蔵寺」では、お接待で飴湯とパンを頂く。
まだまだ楽勝で
六番札所「安楽寺」七番札所「十楽寺」八番札所「熊谷寺」
さらに
九番札所「法輪寺」十番札所「切幡寺」まで行ったところで雨が降ってきた。
近くのコンビニでちょっと休憩する。
こんな楽なことでいいんでしょうか!?
パンとかわかめとかもらって、テキトーに回ってますけど(^^;
まあ…雨も結構強くなってるし、ずっと外なとこが天候との戦い!って感じで大変なのかな??
とか考えてました。

 


ガチでこんな格好の人がいっぱいです。不思議。


五番札所「地蔵寺」前。飴湯ごちそうさまでした。


七番札所「十楽寺」前。何かどんどん写真がおざなりに…(^^;

 

しかしまだまだ甘いのです。
ちなみに、徳島県はお遍路的に「
発心の道場」と呼ばれ、まずはじめの一歩、
イジワルな言い方をすると
小手調べ的ステージなのです。

そんなことはつゆ知らず、十一番札所「藤井寺」に向かいます。
途中、吉野川を渡りますが、何を間違えたのか歩きへんろ道の看板に従い、
(「へんろ道」の看板は要するに次の札所までの近道を示しているので、普通の道にもあります。
これまで多くの「へんろ道」の立て札が普通の道沿いにあったので今回も良いか♪とか思ったんですけどね(^^;)
地元住民御用達の沈下橋を結構な雨が降る中渡ります。

いや、いいんだけど。
沈下橋は川が濁流のときに来るとこじゃないっす。

十一番札所「藤井寺」は、山のふもとにありました。
この時点でかなり雨降ってます。
参拝を済ませ、納経してもらい、いつものようにツーリングマップルで次の札所を探します。

 

 

…無いし。

 

 

 

おかしいな、これまですぐ近くにあったのに。

 

 

 

次の次の札所「大日寺」はすぐ近くにあるんだけど・・・。
十二番札所、「焼山寺」がないのです。

で、十一番札所「藤井寺」を見渡してみると、
山の麓にある「藤井寺」の裏に続く山の方に「へんろ道」の看板が…。

 

 

 

 

ほう、こっちですか。

 

 

 

山を越えろということですかorz

 

 

 

 

ツーリングマップルにもしっかり載ってました。
他の寺からえらい離れてたもんで目に入らなかったんです。

これまで2〜3km位づつ、しかもおおかた平野部でつないできた札所が、
いきなり
40kmも山道を走れと言ってます。
しかも結構な大雨の中っすよ!!

地図で線形を見ても、そーーーとーーー山道の県道。
大丈夫なのかと時間を見ると
まだ1時半。
これならまあ、大丈夫か、ということで山を越える。

焼山寺への道は、かなり本気山道でした(ToT)
舗装こそちゃんとしているものの、細いわガードレールはないわの山道を進みます。
約1時間も雨の中山道を走り、一体なにやってんだ!?
と、真剣に悩み始めた頃に焼山寺に到着です。

焼山寺は、こんなに山道走らせたクセに、
さらに駐車場から歩け!と、なんとも厳しいことを言ってきます。
雨強いし、こんな山奥だしもう何でもいいや!とばかりに、カッパ装備、ヘルメットも被ったまま
山肌にへばりつくように続く砂利道を歩き始めます。

この焼山寺への道のりは、「遍路ころがし」といってキツイことで有名なのだそうです。
歩きへんろ道だと、大体10kmほどの山道を歩くそう。
しかし、県道で40kmも登って来たところをたったの10kmで登らせようというんだから、
その
急傾斜はもう想像付きますね〜。
登ったことはないのでわかりませんが、焼山寺にいた歩き遍路の方は、
7時間かかったと言ってました。

10kmで7時間…。
いや、そりゃ歩きたくないわorz


十二番札所、「焼山寺」境内。
相当山奥です。


焼山寺付近の道。ちなみにこの斜面でガードレールなしっす

焼山寺で参拝を終え、納経をしてもらうと時間は3時。
雨は一向に止みませんが、次の寺に向かいます。

次は第十三番札所「大日寺」
あれ?大日寺ってさっきもあったじゃんと納経帳を見てみるとやっぱりある。

この「大日寺」、この後にもいくつか出てくるが、大日如来に縁がある寺らしい。
大日如来が何者かもよくわからないまま、次の札所のさらなる遠さにまた引くorz
大日寺までは、約30kmの道のり(しかも山)を行かねばならんのです。

焼山寺を出ると時間は3時過ぎ、どこまで行けるのかわからんけど
とりあえず行くしかないのです。

国道438号に出て、県道21号を進むはずが思いっきり迷子になってしまいました。
国道脇を流れる「鮎喰川」には早くもこいのぼりがたなびいていたりして景色は長閑なんだけどね。
山を越えてきたせいか、雨は止んできたのでちょっとラッキーです。
きっと
弘法大師のご利益なのです。

お遍路さんの衣装には、よく「同行二人」という文字が書かれています。
これは、お遍路さんは一人で遍路をするのではなく、弘法大師(空海)といつも二人で歩いている、
ということなのだそうです。こんなテキトー遍路でも、弘法大師は付いてきて下さっているのでしょうか?

雨は止んでも道はわからんので、あたりを見回すと、
あるじゃないですか
「へんろ道」の看板!
これはきっとまたしても弘法大師のご加護に違いない!と看板に従う。
すると道はまたしても山道、しかも細い道になりました。
しかし、もう細い道出てきてもビビらんもんね〜♪とばかりに進む。

しかし、この判断が甘かったのだ。
道はいつの間にか畑の中の細い道になる。
「ホントにここか?」と思った時にはもう後の祭り、
激坂の細い道になってしまい、
バックギアの付いていない(普通ないけど)ボルティには
転回不能
戻ることもできない道に入ってしまっていたのです。

こここれは。。。非常にヤバイ!!
と思いつつ、戻れないのでじわじわと進むしかない。
激坂すぎて足もほとんど着かんのです(ToT)
すると目の前に鮎喰川が現れ、
どう贔屓目に見ても人道橋な手すりもない木の橋がorz

しかしこうなってはもう行くしかない。
自動車学校で習った
「一本橋」が今こそ役に立つ時なのです。
明らかにバイクで渡っちゃダメそうだけどすみません、本当ゴメンナサイ(ToT)
と心の中で言い、そろそろと橋を渡りはじめる。

 

 

3本の角材をつなぎ合わせただけの橋は、
なんとかボルティ君とワタクシの体重を支えてくれ、

 

 

心臓止まるかと思ったけど、
なんとかかんとか向こう岸に着くことができましたorz

 

 

いや、こんな怖い思いをしたのは初めてだ!!
弘法大師さんもホッとさせといてなかなか恐ろしいことさせてくれます。

 

もう「へんろ道」の看板は二度と信じないぞーーーー!!!

 

いや、悪いのは思いっきりワタクシなんですが。
地元の方、ホント申し訳ございませんm(__)m

 

気を取り直して地図を見る。
曇っていて方角がイマイチ解らないけれど、川の流れから見て多分こっちだと当たりをつけて進みます。
一応当たってたらしく(はじめからこうすればよかったorz)、
道の駅「温泉の里神山」を越えて目指す県道21号に入る。

後はまあ、看板に従って大日寺に到着!
交通安全を祈り納経してもらい、息つく暇もなく次の
第十四番札所「常楽寺」へ行く。
このあたりは寺が密集しているので
十五番札所「国分寺」十六番札所「観音寺」まで行ったところで
タイムアップ。ちょうど5時に観音寺に着いたので、先に納経を済ませ参拝し、やっと一息つく。

いや〜〜、何やってんだ私。
なんか
全然休みじゃないぞコレ!!

…とか思いつつもう次の札所を探してたりして(^^;
次の札所は
第十七番「井戸寺」
しまった!さらにその先十八番札所まではエライ遠い!!
井戸寺まで参拝しておけば明日が楽だったのにな〜。

とかなんか一人反省会入ってしまいました。
しかし、これ以上時間を稼ぐことはワタクシには不可能でしたorz
ということで今日はもうここでおしまいです。

昼ごはんを食べる暇すらなかったので、当然宿も取ってません。
5時も過ぎたっちゅーのに今更楽天トラベルで宿を探し、徳島市内のホテルを取ります。

今日の宿は「ホテル野上屋」というところ。
温泉もあるし、バイクはなんと少し離れたオーナー宅のガレージに止めさせてもらえました。
安いし良かったのでちょっとだけ紹介♪

 


写真は翌朝のものですが「ホテル野上屋」。
年季入ってますが快適でした。しかも温泉付き♪

 

宿に着いたら、適当にごはんを食べてとっとと寝ます。
明日はせめて晴れて欲しい…
弘法大師様、よろしくです♪

 

 

→次(3月24日 3日目)に続く

 

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