2009.東北北海道ツーリング

 

8月16日 

 

 

おはようございます( ̄Θ ̄;) 。
現在時刻、AM6:58なのです。

昨日は、稚内発6時半のフェリーに乗ろう!と思っていたもんですが、
人がいないのをいいことにまあ結局12時ぐらいまで飲んでいたのでそんな時間に起きれるはずがなく、
結局起きたのはこの時間。。。ゞ( ̄∇ ̄;)
オイ!

次のフェリーが…7時50分。間に合うワケがないじゃん!と思ったのですが、
テントだけなんとか袋に放りこんで、雑〜なパッキングでなんとか10分前くらいに港に滑り込み、
荷物の選別なんか全くできずとにかく全部持ってバイクを駐輪場に地球ロックして
出港3分前にチケットを買って出港1分前に船に乗り込みました(^^;

ペグの2〜3本は忘れてそうなんですけど。

 

船の中で、なんとなく荷物の整理をし、昨日買っておいたおにぎりを食べて寝る。
フェリーって2分前とかでも乗れるんですね( ̄Д ̄;;
まあ、短距離フェリーだからできるワザなんでしょうけども。

 

なんとか乗り込んだフェリーは1時間40分かけて利尻島の鴛泊(おしどまり)港に着きます。
今日も良い天気っす。残念ながらこの島のシンボル「利尻富士」は雲の中ですが…。

船の中で調べたころ、利尻島は一周約54km
島内の周り方としては、あんまり使えないけれど路線バス。
そしてレンタカー、レンタルバイク、レンタサイクルなどがあります。

実は6時半とかのフェリーに乗ってレンタサイクルで超のんびり回るつもりだったんですが、
寝坊してしまったためレンタルバイクで回ることにします。

フェリーは、「もう!?」って感じに港に着き、
利尻島に到着なのです。


鴛泊港

フェリーターミナルには観光バスの乗り場があります。
一瞬これに乗ろうかとも思ったんだけれど、お値段の方がお高いのでパス。
ターミナル前にはレンタカー屋さんやレンタルバイク屋さんがあり、
dio(原付のスクーター)を借りることにした。

 


dio借りました。ミラーが横向いているのは利尻島スタンダート(←ウソ)

 

原付のレンタルは1時間1000円。
帰ってきてごはん食べたり温泉入ったりする時間を考えると
2時間くらいうろうろするのがいいかな〜?ということで出発。
レンタルバイク屋のお兄さんは
「ギリギリ2時間で一周行ける!」
と仰って言っていたけど、どんなもんでしょうか。

10分おまけしてもらって、9:50〜12:00までのレンタルの手続きをし、
スクーター取り扱いの説明を聞きます。
その昔スクーター乗ってたので操作は大丈夫なんですが、
カギのかけ方なんかは機種によって違うのでマジメに聞く。

すると、「…こんなふうにカギをかけるんですけど、大丈夫ですよ。
カギかけなくても別に盗られないですから♪」
という
島っぽ〜いことを言われました(~-~;)

 

とにかく久々にスクーターに乗り、荷物のかばんを預かってもらって走り出します。
利尻島は、島の真ん中に利尻山があって…というよりは海から出た利尻山の、
海ギリギリのところにヒトが住んでいると言った方が正しいんでしょうか?
とにかく富士山型の、解りやすい山の島です。
島なのに道北で最も高くて1700mもあるそうです。

森にはクマさんがいないので、登山にオススメだそうですが、ものすごいエライそうです。
何しろ海スレスレの街から海抜1700mまで登ることになるんで〜…。
下手したら富士山登るより高低差があるらしいっす。

 

スクーターで島を一周する道道をバビーンと走ると、港を抜けてあたりは草原地帯になる。
天気はすごくいいんだけれど、山の上は黒くて厚い雲が…。
これは登ってるヒトは大変だろうな〜。


これはもしかして利尻もなかったことに…Σ( ̄Д ̄;)

 

そんなことを考えながらぼんやり走っていると、
「ミルピス」なる看板を発見!
なんかそれ聞いたことあるな〜、と思って立ち寄ると、

年季入った建物のガラス戸に「休憩所」の文字が…。
入ってみると、「手作り乳酸菌飲料 ミルピス 1本350円」との案内文。
そして無人(^^;

その販売所の年季入った感じに、ちょっとこれ飲んで腹壊したりしないろうな〜、
とか心配になりながらも1本頂いてみる。
味は、さっぱりしたカルピスって感じだな〜、とワタクシは思いましたが、まあぜひ島で体験して下さい。

 

ミルピス屋を出て、再び島一周を続けます。
しばらく走ると、この島のもう1つの港がある「
沓形(くつがた)」という街に着きます。
ここには温泉があるとのことなので、ちょっと見学に行くと足湯を発見。
湯を見たところ、かなり泉質がよさそう。
これは入ってみたいなあ…。今は
時間がなくて入れないけど。

 

さらに島の海岸線を進みます。ちなみに島を反時計回りに進んでおります。
海沿いに赤い鳥居の神社があったり、湧き水があったりするのを横目に、仙法志という地区に入ります。
このあたりは早くも島の南側。さすが1周54kmっすね。


鳥居発見。

湧き水発見。いづれも発見しただけ。

 

とりあえず目標にしているのは「仙法志御崎公園」というところ。
ツーリングマップルによるとアザラシくんがいるらしいです(^^;
道を走っていると小さな町が現れ、その先に公園がありました。
公園の駐車場には観光バスが停まってて、立ち寄りスポットになっているみたいですね。
ちなみにこの観光バス、ワタクシが降り立った鴛泊港から出てましたが、高くて乗るのやめたバスです。
出発の時間自体も、ものすごい慌ただしかったしね〜。

公園は整備されてますが、まわりは溶岩が固まった黒い岩に囲まれてます。
火山の真下なんだからそりゃそうなんですが。
公園内には数件の売店があり、昆布が売られてますね〜。
利尻昆布といえば高級昆布ですもんね〜。
まあ…荷物増やせないんでチラ見で通りすぎますけれども。

海辺まで階段で降りると、コンクリと天然岩で固められたプールみたいなのがあって、
アザラシくんはそこにいました。
そうか〜、勝手に野生アザラシとか餌づけしてるようなイメージを持ってたんですけど、
完璧飼われアザラシでした。


アザラシプール。
これ別に和歌山のクジラ博物館あたりの写真使ってもバレない気がする。

 

さらに海岸線を進むと、「オタトマリ沼」という池というか湖があります。
ここから見る利尻山はとても美しく、あの
「白い恋人」の箱に印刷されている山はここなのだそうです。
しかし、天気っちゅーのはそう思い通りにいくわけでなく、利尻山は思いっきり雲の中…。
しかもなんか黒い雲が近くなってきているような気がせんでもないんですけど( ̄Д ̄;;


オタトマリ沼。
ちなみに白い恋人山はもっと右で雨雲に襲われてます。

 

時間も迫っているので、写真を撮って出発です。
それにしても空がここだけ暗い…でも部分的でもっと先は青空だし。
と思いながら走っているとついに雨粒が…。
なんだよう(`ε´)
と思っているといきなり大雨!

おおお〜!これはヤバイ!と思いつつ、北海道標準装備でカッパの上はいつも着てるので
まあちょっとくらいは大丈夫なんですが、あんまり続くと下がマズイ!(←忘れてきた)
ということで原付的ダッシュです。島でゆっくりするつもりだったのに全然いつも通りだし
ヾ(ーー )

しかし、通り雨だったようで5分後くらいには止んでました。
こんなとこでずぶ濡れとかすご〜〜くイヤなのでギリギリセーフっす。

 

もうちょっとだけ時間があったので、これまた猛ダッシュで強烈な坂道を登り、
姫沼」という池を見に行く。

 


姫沼到着。息あがってますけど何か?


撮り逃げしてやりました。

 

感想っすか?

「・・・見ただけ(-"-;A」

 

そんなこんなで島を一周し、レンタルバイク屋の前に着いたとたんに
正午の鐘が鳴り響いて、時間ギリギリセーフです。
島一周を考えておられる方、時間があれば
原付3時間レンタルを強くおすすめします!!

 

いきなり酷使されることになってしまったdio君に別れを告げ、
ついに徒歩ダーになってしまいました。

それにしても、アシがなくなってしまうとなんか心許ないっすね。
徒歩であの大荷物は厳しすぎるので、ターミナル前の公園の茂みの中に荷物を置いて、
鴛泊の港町(?)を歩いてごはんを食べに行きます。
まあ、バイクが盗られないのにテント盗られることは無いっしょ(^_^;)

 

今夜は噂に名高いとなり島「礼文島」の「桃岩荘」というところに泊まるつもりなのですが、
キャッシュカード破損により節約を余儀なくされているので、
さっき見つけたセイコーマートで夜ごはんと朝ごはんを調達するつもりなのです。

セイコーマートで適当に買い出しを済ませると、近くに「ライダー歓迎」と書かれたお店を発見しました。
稚内にシェルパを留守番させてきた以上、ライダーと言えるのか甚だ疑問ですが、
ごはんを食べに立ち寄ってみることに。
後で見ると、
「眉倶楽部」という、よく見るとツーリングマップルにも
しっかり載ってるライダーハウスでした。
店の前には関東ナンバーのバイクが停めてありました。

古民家風というか、こ洒落た感じのする店内に入って、ランチを頼みます。
今日のランチメニューは「釧路のさんま」…。利尻島全然関係ないんですけど(・Θ・;)

まあいいっす。美味かったから。
島の裏側行ったら、結構雨降ってましたよ〜…なんて話をしながらさんまを頂く。
オーナーさんが、というかお店の雰囲気が
まったりとしてとても良かったです。
そうそう、島っていうのはそういうふうに過ごすのが正しい観光客なんですっ!
決して島一周原付タイムアタックをするような過ごし方じゃないんです!!

まったりしていると時間は2時近く。
これから2時10分のバスに乗ってさっきの「沓形港」に行き、
3時30分のフェリーで礼文島に渡るつもりなのです。
支払いを済ませ、オーナーにそんなことを言うと、「ここのバス、高いよ〜」とのこと。
どうやら、島にはバスに乗る人なんかほとんどいなくて、観光客向けの乗り物なので高いのだそう。

そうか〜、ちょっとでも長く利尻島にいたかったので沓形まで行くつもりだったのですが、
そういうことなら鴛泊(ココのこと)からだって礼文島行きフェリーには乗れるんだし、
このまま渡っちゃおうかな〜?と考えていると、
後ろのテーブルに座ってた3人組が
「僕たちそっちの方へ行くので、送っていきましょうか?」とのこと。

オーナーさんも「そうしてもらった方がいいよ〜。」とのこと。
全然知らないヒトに送ってしまったりしていいもんだかちょっと考えてしまいましたが、
ここはご厚意に甘えることに。

荷物をフェリーターミナルに置いてきてしまったのでダッシュで(重いけど)取りに行き、
車に乗っけてもらって沓形港へ向かう。
彼らは利尻のヒトではなく、札幌の方からこっちに働きに来ているらしいです。
礼文島にお知り合いが渡っているらしく、
「もし会ったら、
昆布3人組がよろしくと言っていたと伝えて下さい」とおっしゃってていました。
結局、礼文島ではディープ空間から出られずにいたので、そのヒトには会えずじまいでしたが(-。−;)

車で送ってもらったため、出港より1時間も早く港に到着しました。
例によって荷物は放置し、ふらふら歩き出します。

そういえばここの町、さっき着たときイイ温泉湧いてたとこだな〜、
と思い出し、温泉に入ってくことにしました。
さっきの足湯を目指して行くと、
「利尻ふれあい保養センタ−」という日帰り入浴施設発見!
島民以外価格大人500円を支払い温泉へ。

ここは「ホテル利尻」というホテルのの一部になっているようで、
ドライヤーもあるし島一周したときに見た湧き水をサービスで置いてあるしで、しっかりした施設でした。
肝心の温泉は
含二酸化炭素−ナトリウム・マグネシウム−塩化物・炭酸水素塩泉。
湯の花舞う茶色い温泉で、かなり濃厚な温泉です。
毎分600Lの自噴というところもすごいですね。

源泉は33℃で、源泉掛け流しの「源泉風呂」もありました。
源泉そのままの風呂に入れるっていうのはポイント高いっす。
そんな冷たくもないですしね〜。他には内湯や露天風呂なんかもあるけれど、
源泉風呂以外はこっちは普通の温度に加温してあり、循環もしているよう。

茶色い露天風呂につかりぼんやりしていると、壁の向こうにおっちゃんの頭が見えた…(・Θ・;)
どうやら壁の向こうの浜で昆布干しをしていたようですね。

・・・こんなのんびり感も島ならではですね・・・。

時間ぎりぎりまで温泉でまったり過ごし、ターミナルまで行って礼文島「香深港」行きの船に乗ります。
礼文島までは約
40分。写真撮ったり地図見たりしているうちに到着なのです。

 

 

何度も書きましたが、今日の宿はあの「桃岩荘」。
噂によるとフェリー到着時からお出迎えがあるとのことなので、
デッキから地上のようすを見ることに。

すると、フェリーターミナルの端の方に

「おっかえりなさ〜〜〜〜〜い」

と、大声で叫びながらでかい旗を振る人々が…。

!!! も…もしかしてアレっすか煤i; ̄□ ̄A

 

すでに3歩ぐらい引きつつも、下船してそっちの方へ向かう。
旗をめいっぱい広げて仁王立ちしている兄さんの方へ向かうと、
トラックとワゴンが停めてあるところへ誘導された。
すでに同じフェリーに乗っていたヒトたちは集まって来ていて、
我々は1台のワゴン車に乗って、桃岩荘まで送ってもらうことになったのです。
モヤっとした疑問を抱えながら。

ワゴンに乗るのはワタクシを含む宿泊客5人と運転してくれるスタッフさん。
客となる我々は、お年寄りから幼稚園ぐらいの子どもまで非常〜〜に幅広いメンバーでした。
何度か来たことがあるというヒトがひとり乗っていて、その方だけは事情が分かっているようですが、
他は次に何が起こるのか分からず、大人しく車の中へ。

 

 

そしてここからディープな世界へと我々は運ばれていくのです。
っていうか、もう始まっているのです。
ちなみに、ワタクシは思い切りネタにしちゃいますが、この時点で「行ってみたい♪」と思った方は、
これ以上読まれず、明後日分くらいから続きを読んでもらった方がいいかもです。
支笏湖で会った静岡ライダーが仰っていたとおり、
ぜひ実際に行ってこの
「なんだこりゃ感」を体験してもらった方がよいかと思います。

 

 

 

 


乗ったのは実は違うクルマでしたが。

 

 

車に乗り込むと、まずスタッフさん一言、

「これから皆さんを、桃岩荘までこの車でお連れしま〜す!
ちなみにこの車、
「スリーナイン号」といいまして、
特殊な
音声認識装置をとりつけておりまして、皆さんの「発車オーライ!」という声に反応して発進します。
ちなみに声が小さいと発進できませんので、大きな声で「発車オーライ!」とお願いします〜!」

といういきなりパンチの効いたご案内がはじまります。
「せ〜の!」とか言われるけど、いきなりそんなこと言われても照れちゃうじゃないですか(。-_-。)
「お〜らい…。」とか行ってると、ワゴン車バック開始o(- -;*)ゞ

「あらら〜、バックしちゃいました〜。もうちょっと大きな声ほしいですね〜。
それじゃあ、もういちど行きますよ〜!せーのっ!!」

「発車!オ〜ライ!!」

と、主に経験者の方が叫んで下さり、
「プップ〜!」と返事をして
スリーナイン号は無事発進したのでした。
やれやれ
( ̄o ̄;)

 

 

スタッフ氏の口上は続きます。

「皆様おかえりなさいませ〜!桃岩荘はご存知の通り、ユースホステルです!
ユースホステルでは、お客様に我が家のように寛いで頂きたいと考え、
「いらっしゃいませ」ではなく「おかえりなさい」と挨拶しておりま〜す!」

スタッフさんは日々大声を張り上げているせいかすっかり声が枯れている。
なんちゅ〜肉体労働なんすか( ̄Д ̄;;

(注釈;桃岩荘は基本的にユースホステルなので、ヘルパーさんというのが正しいですね。
ちなみに桃岩荘では男性ヘルパーのことを「男ヘル」といい、女性ヘルパー(女ヘル)とは基本的に役割が違うようです。)

スリーナイン号は港のある香深の町を出て、山道に入って行きます。
家が途切れたあたりでスリーナイン号は停まり、「先にご案内しておきま〜す。ここが登山道出口で〜す。」とのこと。

どういうことかというと、桃岩荘の送迎は基本的に行き(つまり今)だけで、
帰りは自然に親しむため歩いて港まで行ってもらいま〜す、とのこと。
もちろん荷物なんかは運んでくれるし、歩きたくないヒトはこうやって送ってくれるそうですが、
桃岩荘としては歩きをオススメしているそうです。
…いやいや…結構遠いっすよこれ
(・ω・o)

 

そんなこと行ってちゃダメっすね。
実は今回、礼文島に訪れたのは
桃岩荘ネタを書くため
礼文島の端から端まで歩き通す「8時間コース」を歩くためなのです。
以前会ったヒトに「礼文島はすごく綺麗なところだから、是非歩いてみて〜!」
と言われその気になって来てみたのですが・・・。
ちなみにワタクシ日頃全く運動しておらず、かなりブヨブヨなんですが…、
まあ、行ってダメならダメになったとき考えますです。

 

スリーナイン号はうねうねとした道を上ります。
峠には「桃岩トンネル」というトンネルがあり、そこが峠になっているようです。

ここでヘルパーさん曰く
「このトンネルを抜けると桃岩荘に着きま〜す。
実はこのトンネル、
「桃岩タイムトンネル」と言いまして通過するとあることが起こりま〜す!
それは置いといて、みなさんにはこのトンネルに置いていってもらいたいものがありま〜す!
それではみなさん、手を頭に当てて、繰り返してくださ〜い!

知性〜!ぽいっ!!
教養〜!ぽいっ!!
羞恥心〜!ぽいっ!!!

はい!桃岩荘に必要ないものはここに置いてきましたからね!!
帰りにちゃんと拾ってってくださいよ〜。
社会復帰には必要ですからね〜!
それでは、タイムトンネル通過〜〜!」

「プップ〜〜(←クラクションの音)」

何だこのちょっとしたアミューズメントパーク的なノリは。( ̄∇ ̄;)
毎回このお迎えをされているみたいでもう手順もタイミングもバッチリだし。
口上はまだまだ続きます。

 

「さて皆さん、我々は今、「タイムトンネル」を通過しましたね。
古くから「タイムなんとか」というものを通るとタダでは済まないことはご存じですよね〜。
タイムマシン然り!タイムふろしき然り!当然この桃岩タイムトンネルもそうなんです!!

というのもですね〜、ここ桃岩タイムトンネルの場合、
トンネルの向こう側とこちら側では時間の流れが違うんです!

このトンネルのこちら側では、「桃岩時間」という時間で動いています。
日本標準時から30分時計を早めてもらうと「桃岩時間」になりますので、
お間違いないようお願いします。
なお、桃岩荘の時計はすべて桃岩時間になっておりま〜す!」

 

「いつもと違うところ」感を出すためだけにここまでするのか桃岩荘!
時間が分かりづらくても演出できればそれで良しなのか桃岩荘!!
突っ込みたいけれども、突っ込んでも大した意味はないような気がしたので
「へ〜!」とか言ってみる。

こういうのは素直さとかピュアな気持ちが必要っすよね(;´д`)ノ
あんまり持ち合わせてないんですけど。

 

桃岩荘に着くとヘルパーさんが車から颯爽と降り、
赤(っぽい)じゅうたんを玄関から車までコロコロコロ〜っと敷いてくれる。
全員が車から降り、玄関の前に立つと一番前にいた子どもが一番にドアを開けることに。
「せ〜の!」と玄関ドアを開けると

「おっかえりなさ〜〜〜〜〜い!!!」
「おかえりなさ〜〜い!」
「おっかえりなっさ〜〜〜〜い!!」
ドンドンドン!!パフパフ!!!

と、鳴り物まで使っての大「おかえりなさい」コール。
いや・・・
激しいっす。これが噂の桃岩っすか…。

 

「みなさん、おかえりなさい!当「桃岩荘」はあいさつを大切にするユースホステルです!!
みなさんもぜひ「ただいま」と返事をしてください! …せ〜の!」

「ただいま〜!」
(↑さすがにここまで出迎えてもらうと、
これくらいは言わないといけないような気がしてきた(^^;)

「おっかえりなさ〜〜〜〜〜い!!!」
「おかえりなさ〜〜い!」
「おっかえりなっさ〜〜〜〜い!!」
ドンドンドン!!パフパフ!!!

 

…という感じでお迎えの儀式はとりあえず終了のようです。
香深港からここまで文章長すぎです。
あまりのディープさについ書かずにはいられず…。しかもまだ続くんですが…。

宿泊手続きを済ますと、館内の案内が始まります。
予約の時に、「当館は築100年になるニシン番屋です。音が響くので…・・。」と言われましたが、
ツヤが出るくらい磨き込まれていてボロさは感じられません。
たしかに建物は古いですが、外観も昔の建物を再現して建てたかのように綺麗です。
シーズンごとにペンキ塗りをしてるんでしょうね〜。

ちなみに桃岩荘は夏(6〜9月)限定営業だそうです。
確かに冬の礼文島はめっちゃ厳しそう。だって、夏でも結構寒いんですわ(-。−;)

建物に入ってすぐ、いろりのある広い居間のようなところがあり、
それを見下ろすように2階部分が回廊のようになっていて、そこに2段ベッドが沢山置いてあります。
これは、「回転ベッド」といい、男性客はここに泊まるそうです。
廊下に続いて洗濯・洗面スペース、売店、トイレ、
半2階に上がって食堂、風呂、2階に女性部屋…と案内されていきます。
しかし、部屋に入るとワタクシ一人だけ。隣の部屋は混んでるみたいなのに何故?と思いつつ、
布団の準備をして荷物を片付ける。


桃岩荘。海まで10歩くらいでしょうか。
下が崖なことを気にしなければですが。


いろりの間。キレイに磨かれているところが
またなんかのテーマーパークっぽい。


今日の夕食はセイコマ産の弁当。日没の時間なので外のベンチで海を見ながら弁当にするかね〜。
と、カッパを着て(海沿いなので風が強くて走ってなくても寒いんです)弁当持って外へ。
やっぱり離島だけあって海はホント綺麗。
空気が澄んでいるからか、夕日も美しく見えます。
海にモヤのような雲がかかっていて、海に沈む夕日は見られなかったですけどね。

 


桃岩荘前からの夕日。


そして照らされる桃岩荘。

ごはんを食べ終わると、「これから「精霊流し」始まりますよ〜!海岸に集まって下さ〜い!」というアナウンスが入る。
今日は、桃岩荘の夏祭りだそうで、そのイベントのうちの一つが始まるそうだ。
桃岩荘はさすが元ニシン番屋だけあって、海のすぐ目の前に建ってます。
その海へ、宿泊者の願いを書いた行灯(段ボール製(^^;)を流そうということだそうです。

それちょっとステキじゃないですか。まあ行ってみましょうか。
陽が暮れるともうカッパだけじゃ寒いんで、ダウン来て見に行ってみます。
海に降りると、たくさんの宿泊者が海をバックに立つヘルパーさんを取り囲むように座っている。
てかこの寒いのに
ヘルパーさんたち半袖なんすけどΣ(゚Д゚;)
さすがに長期間ここにいるヒトたちは違いますね〜。

行灯に火を着け、書いてある願い事をいくつか読み上げます。
さあ海へ…と思ったところでヘルパー氏、
「これからーっ!願い事が叶うようーっ!みんなで歌を歌いたいと思いまーすっ!」と叫ぶ。
いや桃岩荘、さすが桃岩荘というべきでしょうか、タダでは鐘楼も流しません。

ということでヘルパーさんの1人がギターを弾き、それに合わせてなぜか「翼をください」大合唱ヾ(・∀・;)
う〜ん、みんなちゃんと歌ってるところがスゴイ。中学校とかの野外活動みたいだ。
しかし、みなさんマジ。ヘルパーさんなんかもうみんな声枯れきってるのに大絶叫…。

すごいっす。

 

歌が終わり、行灯を流します。あたりはもう真っ暗。気温もどんどん下がります。
半袖のヘルパーさんの一人が極寒な海に入り、
岩に当たらないようなところまで行灯を持って行き流します。
1個目はあえなく沈没…。しかしそれ以降は無事遠くまで流れて行ってました。

てか、ここのヘルパーさん達のマジっぷりからして、後で3時間位歩いて引き上げに行ってそうで怖い……(;´Д`)

 

この「ミーティング」は延々と続くようで(もう長いけど全部書きます。飽きたら読み飛ばし可っす(^^;)、
「今日は夏祭りなので、屋台が出ま〜す!」とのこと。
この昔ながらのユースホステル、なんと
未だに禁酒とのことなのですが、
今日は特別に屋台で「泡の出る麦ジュース」を販売するそうです。

やっぱり禁酒なんてさすがに今もうないよね〜!表向き禁酒ってことだよね〜。と思っていたら、
普段はホントに禁酒だそうで桃岩荘でビールが飲めるのは3年に1度くらいの珍事だそう。
他にも礼文島オリジナル栄養ドリンク「
イソビタンD」などが屋台で売られてました。

 

ビールが入り良い感じになってると、「今度は花火をやる!」とのこと。
いや〜、次々とよく考えてますね〜。
他の人たちと一緒に外へ出て、花火をしてみたりする。
すると
「ニシンの群れが近づきました!」との放送が入る。
「ニシンの群れ?何ですか?」と聞くと、「もうすぐ分かりますよ」とのお答え。
するとしばらくして、道にぽつぽつとライトが見え始めた。

 

するとヘルパーさんが「8時間コースの方がお帰りで〜すっ!おっかえんなさ〜〜〜い!」と叫ぶ。
辺りから「お帰りなさーーい!」「お帰り〜!!」と聞こえだし、
最後には例によってヘルパーさんの合図で口を揃えて「お帰りなさい!!」
今帰って来た人たちも、「ただいま〜〜〜!」と元気一杯答える。
そして、満面の笑み!といって面持ちで桃岩荘の中へ入って行った。

 

………え?Σ(゚Д゚ υ)
8時間コースってそんなかかるの??
今もう8時過ぎでございますよ???

確かすごい早い時間に行ってるらしいけれど、こんな時間まで歩くの?
ワタクシちょっと
無理かも知れなくてよ?

 

すごい不安になりつつ、花火タイムも終わり「囲炉裏にお集まり下さい」とのことなので行ってみる。
今度は何が始まるのかと思っていると、またギターを持ったヘルパーさん達の登場。
そして今度は、「歌と踊りの桃岩荘、歌って踊って楽しみましょ〜う!」と、ホントに歌って踊っています。
曲はアニメソングから昔のフォークソングから桃岩荘オリジナルソングまで多岐に渡っております。


桃岩的ミーティングの模様。

驚くことに、ほとんどのヒトが振りを覚えていて、しっかりついて行っているのだ。
彼らは連泊者なのか、それとも毎年とか来てる常連さんなのか?(←多分どっちも沢山。)
そして何となく皆様の動きに合わせてみるものの
この宗教チックな勢いに
心の中で20歩くらい引いてる自分が…:(;゙゚'ω゚'):

 

噂通りの異空間です桃岩荘。
もっと素直さとピュアな気持ちを持って臨めるヒトは楽しいんでしょうねコレ。

 

後にこの話をネタにすると、
「あそこは7割くらいのヒトは楽しくて、3割くらいのヒトが合わないっていうね〜。」
というふうにおっしゃった方がいました。

 

 

おやおや?また少数派に入っちゃいましたか(#^ω^)?

 

 

ミーティングが終わると、
「明日、8時間コースを歩かれる方は集まってくださ〜い!、説明会がありま〜す!」という案内があった。
会場に行くと、10人くらいがもう集まっていた。

ここでは、明日歩くコースや大体の時間などの説明がありました。
「8時間コース」とこれまで言ってきたが、正式名称を
「愛とロマンの8時間コース」というそう。
非常に桃岩荘らしいネーミングだな〜、と、なんか感心してしまいました(^^;

8時間コースと銘打ってあるが、5時起きで6時半くらいから歩き始め実際には10時間以上はかかるらしいです。
ちなみにこの説明も
桃岩時間が採用されてるのでわかりにくいことこの上ない(;´∀`)
とにかく朝早く出て夕方帰ってくるので、8時間コースを歩く人はここに2泊することは決定なのです。

明日の弁当代なども含み千数百円の料金を支払い、今日はもう寝ることにします。
何しろ明日は5時起きっすもんね〜。
ちなみに、ガラガラだった部屋は4人になってました。
顔ぶれを見ると、愛とロマンの説明会にいた方ばかり。

どうやら、「8時間・4時間コースを歩く人のための部屋」だったみたいです。
「晴れるといいですね〜。」的な話をして就寝っす。
いや〜、長くて
濃い一日だった(;´Д`A ```

 

 

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