2009.東北北海道ツーリング

 

8月6日 

本日は岩手県にある鉛温泉からスタート!なのです。
今日の天気は晴れのち曇り、とりあえず雨の心配はなさそうです。
ここから目的地の青森市までは、もう300kmもないので下道でも行けそうなもんですが、
ねぶたに参加するのは初めてで向こうがどんな感じなのか全くわからないので
早めに着くため高速でばびゅーんと行っときます。

 

そう、今年の夏ツーリングはまっすぐ北海道行きフェリーには乗らずに東北に行くことにしたんです。
その最大の目的は「
ねぶた祭り」。
日本三大祭りのひとつで、全国から旅人が集まるんだよ〜ん。
すごい楽しいんだよ〜ん。

と、去年北海道で出会った女子ライダーに教えてもらって、
単純なワタクシは言われたとおり行ってみることにしたのです。

 

高速に併走するワタクシの大好物の広域農道があったので、
しばし初めて見る岩手県の光景を楽しみながら走り、高速へ入ります。
東北自動車道は完全2車線なのでシェルパ君でも余裕で走れますね〜。

ちなみにここで、シェルパ君の最高速チャレンジをしてみたのですが、
緩やかな下りで頑張って瞬間最高速度100kmちょいという結果に終わりました。
まあ相当頑張らないと高速道路でスピード違反で捕まるのは難しいっすね(^^;
てかこの時点でシェルパ君ガックンガックン言ってて、これ以上は走行中
分解の恐れが…。
まあ、安全第一ってことで。

途中、SAに休憩に入ると、なんと沖縄ナンバーのBMWが停まってる!
相当珍しいので少し話しかけてみると、鹿児島から10日くらいで岩手まで走ってきたそう。
しかもルートを聞くと全く持って非効率的なルート(^^;
SAがお好きだそうで、「SAごとに停まってたら結構時間かかっちゃうね〜。」とのこと。
高速のSAでそこまで楽しめるなら、下道降りちゃったらもう一生目的地に辿り着けないかもですね〜。

しかも、北海道に渡ったらレンタカーに乗り換えるとのこと。
勿体無いとも思うけれど、沖縄の人にはあの寒さは厳しいかも(^^;
道東なんか下手したら沖縄の真冬くらいの気温だったりするもんな〜。

世の中本当に色んな人がいますね(^^;

 

高速ははっきり言って苦手なんですが、
東北自動車道の終点あたりは丘陵地が広がり、なんかいい感じです。

「ねぶた期間中は混んでるからここで降りないで!」
という旨の案内が出ているガラガラの青森中央ICで高速を降り、ついに青森市に到着です。
初青森なので全く勝手がわからんのですけど、
「ねぶたに来るライダー&チャリダー等に開放されているキャンプ場がある」
というウワサを聞きつけていたので、それを探す。

何の手がかりもないのがイタイですが、
「なんとなく海の方にあるような気がする」という
天性のカンを頼りになんとなく海の方へ。

そして、「何となく市街地からは離れてる気がする」という野生のカンを頼りに青森ベイブリッジを渡る。

 

…しばらく走って辺りの景色が寂しくなってきたところに、
空荷の関東ナンバーのバイク発見!!

ということで尾行すること数km(←不審者ですね。)
見事ウワサのキャンプ場を発見しました(^^;

ここ「サマーキャンプ場」は、ねぶた開催期間の8/2〜8までのキャンプ場だそうです。
今後行かれる方のために場所を書いておくと、
青函フェリー乗り場のまん前っす。
一体ナニを迷子になってんだか・・・orz
まあ、それさえ知っておけばまず尾行とかしなくても辿り着けます。

 


ねぶたサマーキャンプ場。ちなみにこのベージュなのがワタクシのテントっす。

 

こちらのキャンプ場、本来は浄水場なのだそうですが、
この期間のみ仮設の水道やトイレが設置されてキャンプ場になっているそうです。
結構広い芝生があって、バイクとチャリは駐車OK。
とりあえずバイクを停めて、キャンプ場内をウロウロします。

場内には無数のソロテントが張ってあり、あちこちに大きいテントが・・・。
イマイチ状況が解らないながら、テントを張れそうな場所を探す。
というのも、ソロテントの多さもさることながら、地面が結構ぬかるんでて
テント張れそうな場所がそんなに残ってないのだ。
どうも青森は今日か昨日、大雨だったみたいですね(^^;

 

結局、キャンプ場の奥の方にぬかるんでないスペースを見つける。
しかしここ、すぐそばに大型テントというかブルーシート吊るしてタープにしてあるとこがあるんですけど。
これってなんかの団体様ご一行が集まってるとこなのか?と思いしばし悩む。

でもまあ、悩んでてもしょうがないので、ブルーシート下の人に
「こんにちわ〜。どちらかの団体さんですか?このあたりにテント張っていいですか〜?」
と挨拶をしてみた。

すると、この方々は特に何の団体ということではなく、
決まったメンバーとかがいるわけでもないんだけどこの辺りにキャンプを張った人たちが集まってる、とのこと。
教えてくれたヒト曰く、「ここは
大和○村って言うんだよ〜。村長帰ってきたらまたおいで〜。」とのこと。

ワタクシ何だかおかしな村に迷い込んでしまったようです(^^;
異空間ですね〜、ねぶたキャンプ場。
よく解らないけれど、とりあえずテントを張る。
テント張ってもやっぱり何していいのか解らなかったので、先ほどの方に聞いてみた。
すると「跳ねる(ねぶたに参加することですね)なら、「マエダ」で衣装買ってきなよ〜。」だそう。

 

このキャンプ場、便利なことにキャンプ場のすぐ裏に「スーパー マエダ」という店があるのだ。
初心者は言われたとおり、てけてけ歩いて「マエダ」に行き、遅い昼ご飯と衣装を買ってくることにする。
若干予想はしてたけど、なんとも不思議な世界だな〜。

ねぶたキャンプ場はかなりのんびり時間が流れている。
どこからともなくウクレレ聞こえてきたり、笛の音がしてきたり・・・。
みんな昼はまったり過ごして、ねぶたまで体力を温存している…のでしょうか?

そうこうしていると、大和○村村長帰還。
せっかくなのでご挨拶に行ってみる。
村長は金髪チャリダーでした(^^;
怖そうな外見ですが、非常にフレンドリーな方っす。
なんとも個性的な村なのです。

 

まあとにかく、夕方になると皆様なんとなく衣装に着替え始める。
ワタクシ、超初対面ですが先程のテントの方に衣装を着せてもらい(^^;
いよいよのんびりしたキャンプ場が動き始めるのです。

 


記念撮影とかしてみたり。
突然混ぜてもらってスミマセン。
顔の判別は相当難しいと思いますが、「わかるやんけ!」とお怒りの方みえましたらご一報下さいです。

 

 

まず始めに「ミーティング」というものがあるのです。
ここのキャンプ場は青森市が設置してくれているようですが、
市の方なのかそれともここのキャンパー達が参加させてもらっている
ねぶたの団体の方なのかよくわかりませんでしたが、
とにかくその方の話を聞く会なのです。

まあとにかく行ってみると、とにかくマナーを守ってキャンプするようにとのこと。
それから盗難にはくれぐれも注意するようにとのことでした。
事件が起こると、来年このキャンプ場なくなるかもしれないよ〜!
という内容のお話でした。そらそうですね。


こんだけのヒトがこのキャンプ場に集結。
なかなか壮観ですね〜。

 

それが済んだらいよいよ出陣なのです。
キャンパーたちがねぶたの衣装のままヘルメット被ってバイクに乗り、次々とキャンプ場からバイクを走らせます。
しばらく走って集合し、行列を作ってねぶた会場に向かいます。

何台くらいのバイクがあるんでしょうか。
50台くらい?100台くらい?
とにかく沢山のバイクが、2列に並んで走り出します。
それはもうなんていうか壮観。
走っているだけでどんどんテンション上昇っす。
沿道から写真を撮るヒトがいたり、手を振ってくれるヒトもいたりして
パレード出演者としてはもうスゴイ事になってるのです。

途中、青森港にかかる青森ベイブリッジという大きな橋を通ります。
そこにも歩道があって人々が手を振ってくれ…ていたはずがなぜか沿道にはチャリ担いだハネトがたくさん。

 

いやいやいや、なぜ担ぐΣ(・ω・ノ)ノ!?

 

こんだけの数のバイクが通過するにはエライ時間かかりますよ?
マジずっと担いでるんですか?

後に聞いたところによると、これは、チャリダーさんたちのお見送りだそうです。
笑顔で手振ったりしてるけど、間違いなくやせ我慢かと思われます!!
そこには先ほど会った村長さんの姿も・・・。
さっきちらっと会っただけなのに、
皇族のようににこやかに手を振ってくれました。
しかしその余裕の表情は何なんですか!?

 

かなりのインパクトでちょっと感動っす(T△T)

 

しかし、祭りはまだこれから。
バイク部隊は海の近くの駐輪場へ誘導され、駐輪場がバイクで埋まっていく。
余計なものはバイクにくくりつけ、跳人ライダーたちは祭り会場に向かいます。

途中のコンビニで飲み物や食料を仕入れ。
ちなみにタンデマー以外ビール禁止っす。
当たり前だけど。

コンビニでチャリダー隊と合流し、しばし歩いて先ほどのミーティングで指示された場所へ。
ここからねぶたが始まるようです。
待ち時間の間に、先達から「ビーサンそのままだと結構キツイよ」と教えてもらい、
衣装セットについてきた豆絞りを引き裂いてワラジ風ビーサンにする。

そうこうしているうちに、青森の街にはどんどん人が溢れてくる。
もう歩くのもままならないくらいだ。
そこに、いつかテレビでみたような「ねぶた」がいくつもやってくる。

 

我々が参加させてもらうねぶたは、みんなが「板金さん」と呼んでいる「青森県板金工業組合」のねぶた。
体中に矢が刺さった侍が、火消しが持っている纏(まとい)のようなものを持って戦っている場面のねぶただ。
タイトルは、
「楠木正行 四条畷の合戦」(くすのきまさつら  しじょうなわてのかっせん)。
例によってその意味はあまりよくわからないけれど、
黄昏どきに煌々と浮かび上がる巨大なねぶたは圧巻なのです。


「板金さん」のねぶた。
これ、紙でできてるんだよね?

 

 

大和○村の皆様に教えてもらい、ロープで区切られたねぶたの前のハネト場所に入る。
彼らが陣取ったのは、思い切り先頭。しかもセンター(^^;
フリとかそういうのは大丈夫なの?と思ったて聞いてみたけれど、
とにかく「見れば解る!大丈夫!」とのこと。

 

お囃子がはじまり、誰かが声を上げる。
それを合図に、ハネトの群れが動き出すのです。

 

ハネトの動きは非常にシンプル。
誰かが「ラッセーラー!ラッセーラー!」と叫ぶと、
誰かが「ラッセーラッセーラッセーラー!」と叫び返す。
「跳ね」なんて殆どそのまんま跳ねてるだけなのだ。

 

でもそれは、ただそれだけというわけじゃもちろんなくて、
何ていうか・・・尋常じゃないエネルギーなのです。
とにかく力の限り叫ぶ!跳ねる!

力尽きて跳ねられなくなってもとにかく叫びまくりなのです。
もうみんな4日も叫んでいるので声なんてガラガラ。
それでも声を上げるのです。
まさに魂の叫び!なのです。

 

自分もこの勢いに負けず叫んできましたが、
日ごろの運動不足からかすぐ足が動かなくなる。
こういうときやっぱりチャリダーは強い。最後まで跳ねてるのはやっぱり彼らなのです。
どこまでも尊敬な人達なのだ。

 

約2時間に及び叫び続け、ねぶた運行が終了。
みんな汗びっしょりで盛り上がる。
何かすごい達成感なのです。

 

何なんでしょうね、この盛り上がり。
祭りっていうのはこのハジけっぷりが楽しいんでしょうね。
なんかもう神がかってます(^^;
全くうまく説明できないのですが、とにかく何か動かされるものがあるのです。
それがねぶた祭りなんでしょうか。
それがこうしてたくさんの人を集めているんでしょうか。

 

ねぶたを跳ね終え、キャンプ場に帰還。
すっかり夜も更け、時間は10時前。
大和○村の人達と、キャンプ場からバイクで5分ほど行ったところにある「コロナの湯」に行き、
すっかり食料のなくなった「スーパーマエダ」でパンやお菓子を買ってキャンプ場に戻ります。

 

皆さん疲れてるんだろうけどもちろん宴会♪
もしかして
このために昼間体力温存してたんじゃないでしょうか?
食料はないけどツマミと酒だけは多量に持っているワタクシ。
誰かの作ったご飯を分けてもらい、なんとか食いつなぎつつ飲むのです。
昼間とは違ってたくさんの人が集まってきていて、やっぱりいろんな人がいた。

ねぶたキャンプ場には、多くの人が毎年この時期に集まって来るそうです。
職場の人に1年前から「こっからここまで絶対休みます!」と宣言して来ている人、
学生で「今年卒業なので来年からねぶた来れないかも…」と嘆く人、
仕事卒業して来ちゃってる人、VIP過ぎて休みとか自由自在な人、いろいろな人がいます。

一般的な休みとはちょっと時期がずれてるので、ここまで来るのもたいへんなのだそうですが、
それでも毎年来ちゃう人がいるのはそれだけなんだかよく分からないエネルギーがここにあるからなんでしょうね〜。

 

広いブルーシートには収まらず微妙にはみ出すくらい人が集まり、
色々なところで色々な話が飛び交いつつ、ねぶたキャンプ場の夜は・・・というより
ワタクシの体力に終わりが来てしまい就寝なのです。
ちくしょ〜!撃沈とかしたことないのに!!(←ちょっと大ゲサ)

 

明日はどうなるんでしょうか。
最終日らしいんですが(^^;

 

 

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