北海道ツーリング2007

8月12日

 

 

朝5時に目が覚める。こんな時間に起きたこと無いんですけど、何故か目覚めるんですわこれが。思い返せば北海道に来てからこれまでの朝も目覚ましを使ったのは一日目に泊まったホテルだけ。フシギだ。これが「旅モード」ってものなのか?

 キャンプ場の林の間から空を見ると、う〜ん。白い。これはもしかしたら雨が降るのかな〜、と思い、テントをささっと拭いて撤収。晴れだったら湯の滝を見てから畳もうと思ったけど、まあいいや。

 撤収と身支度を終えて、さていくぞと思ったのが6時半。朝ごはんは「湯の滝」を眺めながら食べようと思っていたので早いのです。昨日の250オフライダー氏も同じ位に出発。目が覚める時間ってみんな同じようなもんらしく、周りの人たちも活動を始めていた。その頃には太陽も顔を出していた、あらら、早朝の空から天気は読みにくいね(^^;


オンネトーの国設キャンプ場。写真の建物は管理棟とトイレ。綺麗でした。

 

 250オフライダー氏、少し待っていてくれたようだけど先に行ってもらう。だって太陽が出ていたら勿論洗濯物を干さねば。バイクに洗濯物を目一杯くくりつける。

 湯の滝に続く道の入り口にある駐車場は、国設オンネトー野営場のすぐ傍。しかし屁タレなワタクシは湯の滝駐車場までバイクで移動し、日の当たるところに置いておく。黒い車体のボルティは洗濯物干しに向いているはず・・・。頼むぞVolty!最後のTシャツを無事乾かしてくれ!!


洗濯物に覆われたボルティ。ここでしばしのお別れ。

 オンネトー湯の滝までは、入り口から1.4qの道のり。アップダウンもそれほど無い森林浴ルートを楽に行ける。熊はいない!との管理人のお墨付きをもらったので、安心して歩く。1.4qなら走れるかな?とも思ったけど、そこはやっぱり荷物つきとダート。ちょっと走って歩いてを繰り返しているうちに到着。10分少々でした。

 これまではずっと森の中だったのに突然視界が開ける。湯の滝の回りは芝生の広場のようになっていた。そして、目の前に現れる、緑に覆われたなんともファンタジーな世界の滝。ううっ、どこまで天然なのか多少怪しいけど、何て綺麗なんですか!


オンネトー湯の滝。

 でも湯の滝は結構ぬるく、入るのには勇気が要りそうだ。ってゆうか滝つぼにできている池というか湯だまりは、藻がいっぱいでとても入れたもんじゃない(^^;

湯をすくって確かめてみると、案の定硫黄泉。野中温泉が硫黄泉だったので軽く予想はしていたが・・・。むむう、入れないのがいかにも惜しい(ToT)

 先に着いていた250オフライダー氏によると、以前ここには湯船があったそう。滝の脇に何やら小屋があるが、そこが脱衣所だったそうです。しかし、今はもう湯が溜められる状態じゃない元湯船があるだけ。残念、なかなかの良泉なのに・・・。

 まあ、入れないものはしょうがない。朝ごはん食べて帰ることにする。と、色々お世話になった250オフライダー氏に言うと。「やあ、それは素敵なプランだ。・・・じゃあ僕は撤収があるのでこれで。」と言って帰って行った。

・・・・・・なんか面白い人だな。また知床で会えるといいなあ。

 なかなかサワヤカな朝食の後、駐車場に戻る。帰りはタイムを計ってみたけれど、ちと早めに歩いて16分でした。もし行こうかどうか迷っておられる方、そんなもんで着くので是非行ってみて下さい。きれいなところです。熊もでないしね。


朝のオンネトー。今日も快晴です。

 案の定乾いていないTシャツを飛んでいかないようにくくりつけ、オンネトーから離れます。そうそう。R241を下る途中で昨日のCB400に乗ったお姉さんを発見!多分これからオンネトーへ向かうんでしょう。声を掛けたかったけど、お互い結構なスピードなのでまあ諦めて阿寒湖の方へと下る。今日はこれからR240を北上して美幌の町を通り、美幌峠を通るつもりだ。

 美幌の町はなかなかの街だった。ダイソーを発見したので、念願のビーサンと電池、それからネクタイ入れなるものを買う。黒くて細長い洗濯ネットみたいなもので、靴下なんかくくりつけにくい物を干すのに、意外と重宝しました(^o^)/

 マップルには思いっきり紫の線で縁取りをしてある「いい道」、美幌峠に向かうR243は本っ当にいい道でした。特に、峠の頂上にある道の駅「ぐるっとパノラマ美幌峠」からの景色はもう最高!草原の真ん中にあり、展望台からは屈斜路湖も見えます。


美幌峠。よそ見注意です。

 でもここはライダーじゃなくても有名スポットらしく、車がすごく多かったです。駐車場横切るのに一苦労・・・。

 緩いワインディングの道を下り、今度は和琴半島へ。屈斜路湖に突き出した半島なのですが、結構いろんなところに温泉が沸いています。公園の中の露天風呂でちょっと湯に触ってみると、すんごい熱い。入れないほどではないですが、思い切り日向で入る熱い湯はちょっと勘弁。

温泉。熱くて入れませんでした(^^;

ひまわり畑。夏だね〜。

 和琴半島のそばで、ひまわり畑をみつけました。有名な北竜のひまわり畑ほどではないのでしょうが、沢山のヒマワリが見られましたよ(^o^)/

 R243から、今度は開陽台に向かいます。ず〜っと真っ直ぐな道が続くr885を北東に進み、どれくらいなんだろう。結構進むと開陽台に着きます。開陽台付近で1箇所曲がるところがあるので注意です。

 開陽台は、「地平線が丸く見える」と有名なところ。360°のパノラマでほとんど草原が広がります。まっすぐに見える地平線が、緩いカーブを描いているのがわかります。写真も撮ってきたのですが、途中で諦めました。写真ではどうしても伝わらないんです。あの広さが。

丸く見えるかな〜?

キャンプ場発見!

 開陽台には、レストハウス兼展望台のようなところがあって、しばしコーヒー牛乳を飲みながら休憩。すると、何とレストハウスの裏にテントを張っている人が何人か・・・。こんなところにキャンプ場があるんだ!すごい泊まってみたい・・・。とちょっと感動。でも時間はまだ昼。ここでテントを張るのはちょっと早いか〜。と断念。でも、いいもの見つけた!今度は絶対ここで泊まるんだ!きっとプラネタリウムなんかじゃ見れないような星空がみえるんだろうなー。

 開陽台を出るとすぐに、バイクが何台か停まって写真を撮っているところが・・・。何だろう、ただの道なのに?と思ってよく見ると、どこかでみた景色・・・。あっ!ここマップルの裏表紙のとこだー!と思い、ワタクシも混じって撮影。みんなよく気づくなー。誰もいなかったら完全スルーだったよ(^^;・・・と思ってよくよくマップルを見てみると、ここじゃないしorz

まあ、でもホントに真っ直ぐでいい道だったので撮影。

 昼ごはんは標津町のサーモンパークで海鮮ラーメンを食べる。美味。それにしても標津川を越えた途端、一気に気温が下がった。これは・・・恐怖の東の海が近づいてるな・・・。と思い切り肌で感じつつ、次の目標は野付半島。あんまり寒かったら帰ってこよ〜。と思いつつどんどん気温が下がる中、野付半島へ。こんなに晴れているのにやっぱりかなり寒い。カッパだけなので、もう限界なナラワラPAで挫折orz やっぱりすごいなオホーツク・・・。

海鮮ラーメン。海鮮たっぷりでした。

ナラワラ。もっと進みたかったけど・・・。

そこからはR335を北上してとりあえず羅臼の道の駅「知床・らうす」を目指す。なんか国道沿いのどんどん閑散としてくる町並みを見ながら走る。根室で感じた「さいはて」感がここにも・・・。羅臼といえば昆布が有名だけれど、このあたりでは「昆布引きのバイト」というのがあるらしい。結構貧乏ライダーが働くこともあるらしく、道沿いの看板に「フリーター・ライダー募集」と書いてある。そうか〜。北海道はライダーとフリーターが同列に扱われることもあるんだ〜。と、あてもなく北海道に来ちゃう人もいるんだと実感。何もかも捨てて北海道!みたいな。でも確かに魅力的なところだしね〜。冬は厳しそうだけど。夏も結構厳しいけど。

 道の駅「知床・らうす」は、そんな閑散とした道のりとは正反対に大混雑!駐車場が狭いせいもあるんだろうけど、これは車ならもう諦めてたような気がする。なんとか空いたスペースにバイクを止める。すると、もう一台アメリカンの2人乗りバイクが入ってくる。

 2人組はボルティを見るなり、「襟裳あたりで見た気がする」と声をかけてくれた。確かにその片側だけハードケースなバイクは見たことがあるような気が・・・。もう夕方4時を過ぎていたので、今日はキャンプですか?と聞いてみると、なんと彼らはワタクシがこれから行こうと思っていたウトロから帰って来たとの事。キャンプ場が一杯で、こんなとこイヤだと思って羅臼でキャンプすることにしたそうだ。「世界遺産になんかなっちゃうからだよね〜。」とアメリカン兄さんはぼやいていた。

 


道の駅「知床・らうす」で鹿発見。ウカウカしてると食べられるんじゃないですか?君たち。

 

 ヤバイ。まさに自分も同じ目にあうとこだった。そうだよね。お盆だし、どうも北海道はキャンパーが多いみたいだし・・・。と、自分はどこに泊まろうかとマップルを見る。すると、ウトロからr93を行ったところに、「岩尾別YH(ユースホステルの略)」というところを発見。ダメ元で電話してみることに。すると、「いいですよ」という快い返事が。宿代はちとかかるが、行きたいと思っていたカムイワッカ湯の滝までも近い。よし、ユースは初めてだけど、モノは試しということで一度泊まってみよう。と決定。

 道は変わってR334知床峠を上る。少し行ったところで、車が沢山止まっているところを発見したのでちょっとストップ・・・うん?このケムリは・・・温泉だ!もちろん入るよ!とばかりにボルティを止めて行く。ここは、「熊の湯」という寸志で入れる温泉だった。しかもしっかり男女別れているし、脱衣所もきちんとしている。ががっと脱いで温泉へ。


熊の湯。良泉です!

 どうもここは地元の人が利用する温泉のようで、おばちゃんたちが仕切っている。「お湯かぶってから入るんだよ」とか、「こんなの熱くないよ!」とか、なかなかニギヤカ。言われたとおり、洗面器で湯をすくってから入る。・・・うん。アツイ!でも濃厚な硫黄泉。白濁した湯は、源泉と川の湯のミックスなようだ。源泉の温度はかなりアツイ。おばちゃんたちによると90℃位あるそうだ。これは・・・温泉卵作りたい!と思ったが、そんな施設も卵もないのでしょうがない。今度来るときは卵持って来よう!(多分怒られる)熱いけどいい湯なのでしばし漬かっていく。うん。満足。

 寄り道した後は峠越え。けっこうなワインディング。いや、岐阜とかだとなんともない道なんだけど、周りの車が早いもんで・・・なんとか流れに乗って、たまに抜かされながら進むと、頂上には「知床峠PA」が。ちょっと止まってみると、そこには「そびえたつ」という表現がなんとも似合う「羅臼岳」の勇姿が。何かもう、崖でできてます!といった感じの羅臼岳は、見事のひとこと。


羅臼岳

 ウトロに下る道は、上りとはうって変わって緩やかな道。途中に鹿がいたりして、のどかな雰囲気。道を楽しみながら下っていくと、「知床自然センター」なる看板が。ここ、そういえば滝があるとこだ!と思ってストップ。時刻は5時。ちょっと悩んで行ってみることに。

 ここにある滝は、「フレペの滝」。乙女の涙と呼ばれる滝だそう。自然センターから20分だそうだ。うーん、入っていって誰もいなかったらちょっと怖いなー。と思いつつ進む。なぜならここは、熊多発地帯の知床なのだ。滝への遊歩道にも、熊出没情報がたんまり貼ってある。

 熊鈴なんか持っていないので、バイクの鍵をチャラチャラさせながら進む。なんだかよくわからない植物の中を、鹿に睨まれながら一人で進むのはやっぱり怖い・・・。帰ってくる人はいるけど、同じ方向に向かっている人はいないし・・・。

 しかしまあ、案の定というか15分ほどで滝に到着。少し遠くから見る滝のようで、展望台のところにはファミリーが一組。ちょっとホッとしつつ滝を眺める。川は見えないけど滝がある。どうなっているんだろう。フシギな光景だ。


フレペの滝

 バシバシと写真を撮って、ファミリーの少し後で退散。いや、マジで熊は怖いしね!!タバコ1本分後で出たけれど、相当怖かったのか追いついて追い越してしまった。

 それから、ウトロの街中に出ていつもの買出し。なんかものすごい人だ・・・。セイコーマートのキャパシティーをはるかに越す人数がひしめいている。羅臼で聞いた通りだ。ホテルも軒並み満室の札を出してるし車は渋滞。なんだこりゃ。これはキャンプ場もいっぱいだわなあ。なんとか空いていた食堂兼居酒屋みたいなところで「ほっけ定食」を頂く。とにかくでかいホッケだった。


ほっけ定食。腹一杯です。

 日も暮れてしまい、真っ暗でちょっと怖いr93を通り、岩尾別YHについたのはもう7時過ぎ。いかんな〜と思いつつチェックイン。荷物を片付けると「ミーティング」なるものが始まり、スタッフのかたが色々と知床の観光案内をしてくれた。彼の話によると、知床一番のおすすめは「羅臼岳登山」らしい。8時間位で登って帰ってこれるらしい。話を聞いていると、ちょっと登りたいような気がしてくる。うん。次ぎ来たら登ってるかも。他にもシーカヤックなどもできるそうです。

 40分ほど「ミーティング」は続き、解散。乾燥機があったので、今日着た服を洗って乾かす。そのあいだに表に出てチューハイを飲みつつタバコ吸いつつ、他のお客さんとおしゃべりをする。ここにいる人たちは、だいたいいつもYHなどの宿に泊まって旅をしているんだって。

 色んな人がいますね〜。昨日のキャンパーたちは、「ライダーハウスに泊まったことがない」と言っていたし、カニの家にいた人たちは「キャンプはしない」と言っていた。そこにはなにか「住み分け」みたいなものがあるのでしょうか。

 このYH、何故かものすごく人里から離れたところにあるので、星がすごくキレイだったのがとても印象的でした。ちょうどこのとき、ナントカ座流星群が来ていて、天の川の見える空に、流れ星が沢山見えました。

 

 

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